理事長・学校長あいさつ

HACHIOJI TONE

HACHIOJI TONE

理事長挨拶

高校受験を考える皆さんへ

理事長 塚本 吉紀理事長 塚本 吉紀

のびのびした自分でその場にいられる雰囲気と規律ある校風を持った学校が八王子学園です。
孔子の言葉に「学びて時に之を習う」とある。学習の学(知識を身に付ける)、習(知識を活用する)の両立を目指す環境設立に努めている。学力の基は知識であり、理解と定着により活用でき知的好奇心を持たせ人を伸ばす。
確かな学力、豊かな心、健やかな身体、の知・徳・体を総合した「生きる力」の育成を図る環境設定に傾注する。主体的な学びで学力の向上を図り学ぶ喜びを体験し、心が通い合う豊かな人間関係のもとで対話的な学びでの学力向上を図る学び舎にしたい。そして次の五つの生徒像を目指す中学生であって欲しい。

■コミュニケーション能力を持つ生徒
■深い思考力のある生徒
■自主的に学習を進める生徒
■異なった意見に耳を傾け協調性の持てる生徒
■自己に常に質の向上を求める生徒

学校長挨拶

学校長 齋藤 智文学校長 齋藤 智文

八王子学園八王子高等学校の特色を一言で表せば、それは、「いろいろな人がいてあたり前」ということではないかと思います。
「文理・総合・アスリート」の三コースには、様々な個性や興味、関心を持った生徒が集まります。東大をめざす人もいれば、プロ野球の選手になる人もいる、音楽や美術にその才能を発揮する人もいる、部活動の成果を大学進学につなげていきたいと思う人もいる、「自分って何?」と迷いのただなかにいる人もいます。本校は、いわば社会の縮図といってよいでしょう。
また、一つの学年の在籍数およそ500名の中には、併設の中学校から高校に入学してきた生徒が100名程います。本校は、様々な環境の中で育まれてきた人格を持った人たちの出会いの場であるともいえるでしょう。

本校は、スクールポリシーとして二つの「学園モットー」を掲げています。1947年・昭和22年に制定された「人格を尊重しよう」「平和を心につちかおう」がそれです。
「人格を尊重しよう」とは、元来は18世紀ドイツの哲学者カントの「人格の尊厳」を基礎にしたものですが、かみ砕いて言えば、冒頭にあげた「いろいろな人がいてあたり前」にも通じることかと思います。一人一人の人間が、自分はこうあるのが自然だ、こうありたいのだという心の奥底の思いを持った存在であると思い至ったとき、「人格」というものの崇高さが見えてくるのだと思います。
「平和を心につちかおう」とはどういうことでしょうか。これは「ユネスコ憲章」の前文を踏まえています。戦争が無ければ平和であるということはその通りなのですが、本校は、人間の心の中に潜む差別とか偏見とか根拠のない区別などといったことに対して「それって、何かおかしくないか?」と立ち止まって考えられる心を持った人を一人でも多く育てたいと考えています。学校という場に限らず、多くの人々が日々の生活を共にする社会では、時に対立やすれ違いといった問題も起きます。その多くは誤解や偏った見方に起因するのではないでしょうか。そうしたことに気が付ける心を持った人が社会の担い手であれば真の平和につながるはずだとの思いが、「平和を『心』につちかおう」なのです。

高校生として、また大学進学を目指して学ぼうとしている皆さんに心がけてほしいことがあります。それは、「記憶力より構想力」ということです。
情報処理技術が発達した現代にあって、人間が記憶できる情報量は、おそらく機械には敵わないでしょう。では、人間ができることは何でしょうか。それは「構想力」だと思います。まったく関係が無いと思われていた情報同士をつなぎ合わせることで、新しい結論を導き出せるのは人間にしかできないことです。例えば、「大陸移動説」で有名なドイツの気象学者ウェーゲナーは、その著書『大陸と海洋の起源』」の中で、かつて地球上の大陸は一つであったとする根拠を200前後挙げています。でもそのほとんどは、それまでに別の研究者たちが導き出していたデータなのです。ウェーゲナーは、関係ないと思われていたデータを再構成することで、まったく新しい研究成果を挙げたわけです。
高校生となる皆さんが、さらに視野を広げ、独自の構想力で新たな世界や作品を作り出せる人に成長してくれることを願ってやみません。