理事長・学校長あいさつ

HACHIOJI TONE

HACHIOJI TONE

理事長挨拶

中学受験を考える皆さんへ

理事長 塚本 吉紀理事長 塚本 吉紀

のびのびした自分でその場にいられる雰囲気と規律ある校風を持った学校が八王子学園です。
孔子の言葉に「学びて時に之を習う」とある。学習の学(知識を身に付ける)、習(知識を活用する)の両立を目指す環境設立に努めている。学力の基は知識であり、理解と定着により活用でき知的好奇心を持たせ人を伸ばす。
確かな学力、豊かな心、健やかな身体、の知・徳・体を総合した「生きる力」の育成を図る環境設定に傾注する。主体的な学びで学力の向上を図り学ぶ喜びを体験し、心が通い合う豊かな人間関係のもとで対話的な学びでの学力向上を図る学び舎にしたい。そして次の五つの生徒像を目指す中学生であって欲しい。

■コミュニケーション能力を持つ生徒
■深い思考力のある生徒
■自主的に学習を進める生徒
■異なった意見に耳を傾け協調性の持てる生徒
■自己に常に質の向上を求める生徒

学校長挨拶

学校長 齋藤 智文学校長 齋藤 智文

八王子中学校の教育は、「手作り教育」「社会探究」「自治の精神」にまとめられると思います。
「手作り教育」とは、今目の前にいる生徒一人一人に何が必要かを常に考えながら柔軟に対応する教育です。学習でつまづいているこの生徒にはどんな教え方がよいのか、人間関係で悩んでいるこの生徒にはどんな声かけが有効なのか、健康面で心配事を抱えているこの生徒にはどんな対応をしてあげたら前向きになれるのかと、教員自らが自分自身に問いかけながら目前の生徒一人一人に向き合う教育のことです。これは、本校の創立者市川英作先生が、開校当初から目指していた教育方針の一つです。
「社会探究」とは、子どもたちがよりよい主権者となるための学びです。これは中高6年間を通じて行われます。その一つが「探究学習」です。不思議だな、なぜこうなっているのだろう、これにはどんな役割や意味があるのだろうと、疑問や関心を持ったテーマについて、先生と一緒に追究していこうとする学びと言ってよいでしょう。高校に進むと「主権者学習」が加わります。これはその名の通り、満18歳からの参政権(選挙権)の行使を視野に入れた学習です。社会の一員となるとはどういうことなのか、現実社会が抱える矛盾や問題点は何かなどについて、大学生諸君による外部団体の協力も得ながら、さらに考えを深めていきます。
「自治の精神」とは、学校の主役は生徒でなければならないのだから、よりよい学習環境や生活環境を自分たちの力で作り出していこうとする生徒を育てるということです。中学校には、「学年委員会」という組織があります。これは高校の生徒会活動の基礎となる組織といってよいでしょう。委員会は、始業式、終業式、新入生対面式の進行役を担うだけでなく、多くの生徒の様々な意見を集約して自分たちで必要な決まりを作ったり、また学校に働きかけをしたりと、中学自治活動の根幹となっています。また、有志生徒による生徒広報委員会は、説明会に来校された受験生や保護者の皆さんへの学校紹介を担当しています。そのためでしょうか、高校進学後に生徒会役員となる内進生が大変多く、通常60~70名いる生徒会役員のおよそ半分を内進生が占めることも珍しくありません。
とくに「社会探究」と「自治の精神」は、中学生ならではの学びにつながるものです。その根底にある考え方は、「自分のためだけでなく、他人(ひと)のためにも学ぶ」ということです。
 小学生のみなさんが中学受験を突破するために取り組む勉強は、自分のための勉強としての意味合いが強いものです。でもこれから始まる6年間の学びは、将来目指している職業につながっていく学びなのです。皆さんの中には、お医者さんになりたいと思っている人もいることでしょう。お医者さんは人間の体のこと、病気のことだけ知っていればよいのでしょうか。違いますね。お医者さんが診るものは、病に苦しんでいる人間です。その人が何に不安を感じているのか、今どんな言葉かけがこの人には大切なのかといった、病人の心が分かるお医者さん、そしてそれが分った上で、その人に合った治療にとり組めるお医者さんを、「名医」というのではないでしょうか。
中学生となる皆さんは、これからの学びを、他人(ひと)のため、社会のために生かせる学びにすることを忘れないでほしいと思います。これは、本校の開校当初の名称が「多摩勤労中学」であったことと深く結びついているのです。